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明治維新~日清戦争前(明治元年~明治25年/1868~1892)
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作詞 不詳
作曲 不詳

頃は健治の四年とや
俊宇多帝の御時に
元の夷が十万の
兵に将とし戦船
筑紫に向けて挙り来る
勢力猛く大海に
鯨の荒るるごとくなり
この時北条時宗は
元の使いを三度斬り
皇国の御稜威落さじと
短兵急に攻め立つる
日本刀の雷光と
花の都は荒れ果てて
いずこか我が身の置き所
今宵一夜の宿頼む
桜の露に袖濡れて
滅亡ここに極まりて
平家の裔ぞ悲しけれ
妾人腹の謗りにより
諌めの言も容れられず
二人とも無き賢臣は
筑紫の浦の侘び住まい
御衣を拝せし涙なる
心の底はいかならん
我が君今は賊の為
遠き島路に行き給う
無念の心やるせなく
十字を印す桜木の
我が赤心申さんに
盃か多言を要すべき
月の光や花の香や
幾万年を経るとても
更に変わりは無きなるに
常無きものは世の治乱
月を見て酔い花を見て
眠れる春の手枕の
ただ一場の夢の間に
映る荒廃存亡の
世の成り行きぞ無常なる
上より民を苦労させ
国の乱るるその時は
月の光は輝くも
花の色香は匂うとも
など楽しみのあるべきぞ
されば世間の諸人よ
今より真心引き起こし
国の光を東海の
月よりもなお輝かし
国の誉れを御吉野の
花よりもなお芳しく
するこそ今の勤めなり
誓いてかくもなせじ後
楽しき月見をしてみたや
楽しき月見をしてみたや
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