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明治維新~日清戦争前(明治元年~明治25年/1868~1892)
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作詞 小室屈山
作曲 不詳

天には自由の鬼となり
地には自由の人ならん
自由よ自由よ自由やよ
汝と我がその仲は
天地自然の約束ぞ
千代も八千代も末かけて
この世のあらん限りまで
二人が仲の約束を
いかにぞ仇に破るべき

さはさりながら世の中は
月に群雲花に風
ままにならぬは人の身ぞ
話せば長い事ながら

昔ローマの国と聞く
その人民を自由にし
共和の政治を立てんため
数多の人の憂き苦労
それをも知らで欲のため
我が権勢を張らんとて
再び帝位に登らんと
企てたりしカエサルは
その親友の手にかかり
議院の中に殺されたり

その親友の言う事に
民を奴隷になさんより
寧ろカエサルを殺さばや
我のローマを愛するは
親友よりも堪難し
ローマの民の望みなら
我が身もここに諸共に
捨つる命はいと易し

フランス国のルイ帝
自由を圧制なさんとて
種々に手段を巡らせど
邪道はいかに正道に
打ち勝つ事のあるべきぞ
民の怒りは火のごとく
また洪水の溢れ来て
岩をも砕く勢いに
いと畏くも帝王の
黄金を翳す冠は
断頭機械の上へ落ち
あわれ儚くなりけるは
誰を恨みん圧制の
自業自得と言うべけれ

イギリス国の革命も
同じ車の一つ轍
昨日の王は今日の賊
クロムウェルが手に持ちし
自由の旗の招きには
天をも回らすばかりにて
チャールズ王を誅戮し
自由の基を立てたりき

北アメリカの合衆国
もと英国の民なれど
その発端を訪ぬれば
自由の人となりたさに
故郷の名残に気も止めず
深山茨はまだおろか
人の踏みてし事も無き
大海原を打ち破り
身も知りもせぬアメリカへ
植民なせし心根は
いかにあわれに思うらめ

しかるになおもイギリスの
絆しの綱は離られず
暴君汚吏の圧制に
積り積りて国の為
輸出輸入の平均や
彼に得られし商権を
取り戻さんと健気なる
胸算用の正告は
あえなく外れ幔幕の
儲けどころか埒もなく
売れば借りられ買えば損
杖と頼みし資本も子も
消えて儚く雲霞
嵐の庭は花紅葉
他に詮術なかりけり
ああ難しの世渡りや
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